FSC トップpage へ 森林圏 トップpage へ 苫小牧研究林 Tomakomai Experimental Forest

苫小牧研究林位置図
(地図をクリックすると「広域図」を表します。)
最終更新:September-2009
〒053-0035
北海道苫小牧市字高丘
 TEL:0144-33-2171
 FAX:0144-33-2173


アクセス

交通機関利用の場合
JR 札幌駅−(JR北海道 室蘭本線 函館行き 特急42分)−苫小牧駅−
(市営バス 01番 永福(三条)交通部線 [駅前バスターミナル発] 15分)−美園小学校前下車徒歩20分(1.5km)

乗用車の場合
札幌−(高速利用)−苫小牧東IC−苫小牧研究林:約1時間30分

宿泊施設(研究利用)
 宿泊定員38名
 自炊棟定員8名

フィールド(研究利用)などの利用は、森林圏ステーション施設利用ガイド をご覧下さい。

[ 研究者一覧 ] は、こちら のページをご覧下さい。

苫小牧研究林の 詳細ページ

<概要>
 苫小牧研究林は、工業都市苫小牧(人口17万人)の市街地に隣接しています。標高5〜95mの火山灰の平坦な台地上にあり、気候は一年を通じて冷涼で、夏期の低温多湿と冬季の寡雪を特徴とします。2,715haの森林のうち25%が人工林で、残りはミズナラ・イタヤ類をはじめとする広葉樹林です。
 この研究林は都市の市街地に隣接する平地林であることから研究・施業上の利便に恵まれているとともに、古くから住民の休養緑地としても親しまれてきました。
 森林施業面ではここを都市近郊林と位置づけ、林業生産、休養緑地機能、環境保全等の観点を織り込んだ「都市林施業」を目指しています。施業内容は天然林の択伐、人工林の間伐、若齢人工林や二次林の撫育作業、植え込みなどです。
 また研究面では「冷温帯陸域生態系における多様性の維持の解明」を掲げて、森林生態系に関する先端的な研究ステーションとして、多分野の研究者に開放され、活発な研究活動がなされています。現在ここで活動を行っている主な個別研究の分野は、魚類生態学、動物生態学、植物群落学、鳥類学、森林昆虫学、土壌学。気象学、水文学などです。
苫小牧研究林の森林区分は、こちら のページをご覧下さい。

<目的・特色>
 苫小牧研究林は約330年前に噴火した樽前山の火山灰の上に立地しています。面積2,715haのうち25%が人工林で、残りはミズナラ・カエデ類などの広葉樹林で構成されており、平坦な地形と林床にササ類が少ないのが特徴です。この研究林は都市部に隣接しているため、地域住民や観光客が頻繁に訪れています。そこで、ここを都市近郊林と位置づけ、林業生産・休養緑地・環境保全機能を織り込んだ「都市林施業」を行ってきました。調査研究への支援体制も整備されつつあり、北大だけでなく国内外の研究者がこの研究林を利用しています。
生態系の長期動態研究を行う上でのデータベー
スとして、苫小牧研究林の森林をバイオマスと
構成種から約50のタイプに分類した。
赤色系は人工造林地、青色系
は成熟林、黄色系は
二次林、緑色は発
達した二次林
を示す。

<研究・教育>
 苫小牧研究林では森林と大気・土壌・河川間の物質のやりとりや、それぞれの環境に生息する動物たちの相互作用について研究しています。実証的に研究を進めるために大がかりな野外実験も行われるため、林内には様々な実験設備が配置され、さながら森林研究のテーマパークの様相を呈しています。これまでの研究により長期的な森林動態、生物多様性の維持機構や森林圏の二酸化炭素吸収力などが明らかになってきました。
成熟林内に高さ25m、半径41mのゴンドラと、高さ22m、15m四方のジャングルジム(写真ではゴンドラの上方)が設置されている。これらの施設により森林の3次元的動態や林間部における生物相が調査可能となっている。

二次林内に高さ10m、15m四方の森林空間をネットで覆った森林エンクロージャを9つ設置し、採餌様式の異なる昆虫食鳥類を中に入れ、鳥類相が昆虫相に与える影響、および鳥類が昆虫相を変化させたことによる森林への影響を把握した。


研究林を流れる幌内川を1.2kmにわたり網で覆い(河川エンクロージャ)、森林と河川間の陸生昆虫と水生昆虫の移動を遮断した。この実験により昆虫を介した森林と河川の流れや、森林圏における生物多様性の変化が明らかになった。

苫小牧研究林、幌内川河畔林の優先鳥種、魚種の年間、資源消費量に占める陸生資源、水生資源の割合。数字は鳥類の年間、資源消費量に占める水生資源の、魚類の年間、資源消費量に占める陸生資源の割合をそれぞれ示す。

森林動物と河川動物が森林・河川それぞれの資源をどれだけ利用しているかを調査した。その結果、魚類は陸生昆虫に、鳥類は河川から羽化する昆虫に依存していることが示され、食物網を通した森林―河川間の物質交流が確かめられた。

 こうした一連の研究は森林生態系の解明だけでなく、生物多様性の保全や地球温暖化問題という地球規模の環境問題の解決にも役立てられるものと考えられます。